TOKYO BLACK HOLE

夜のバイトが終わって部屋まで音楽を聴きながら歩いて帰るとき、一週間の内で一番色々なことが頭に浮かぶ


将来どうなりたいのか、早く勉強をしなきゃ、今度の休みは何をしようか…


交差点を曲がって住宅街に入る。段々と歩いている人が少なくなっていく。


みんな家で帰りを待つ人がいるのだろう。遠くで玄関の灯りがぼんやりと輝いている。


誰もいない部屋に着いて鍵を開ける。スーツを脱いでシャワーを浴び、パジャマに着替える。

ロフトに上がって布団に横になる。静かな夜中に一人でいると、まるで街に僕だけしかいないかのようだ。広い水面に一人で浮いているような感じだ。


この街は僕のもの